しかし、私も若くないなあ。
若者ことばについてけないわ。
うん、私もよくわかる。
でも私たちが若い頃にも、同じような言葉があったよね。
例えば「事故る」。バイクに乗っていて事故ったとか、、、。
「ーる」を使った若者ことば
① これはみんな知ってる?「バズる」
インターネットやSNSを見ていると、必ず出てくる「バズる」。何かがTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSなどで話題になって、それに、たくさんの人がリアクション(reaction)を起こすことで、どんどん広がっていって、急に大きな話題になることです。
リアクションというのは、例えば、*リツイート(retweet)をしたり、いいね(like👍)を押したりすることです。こういうリアクションをすることで、その話題がどんどん拡散していきます。
*リツイート=Twitterで他の人のつぶやき(tweet)を自分のツイートのタイムライン(timeline)にのせて、他の人と共有すること。
「バズる=急に話題になる」という意味ですね。
これは英語の「buzz」という言葉に「る」がついて動詞のように使うのですが、この英語の「buzz」は、ハエやハチが飛ぶ時のあの「ブーン」という音や、日本語で言う「ブザー(英語ではbuzzer)」が鳴る音を表す言葉です。そこから、みんながザワザワ噂するような状態も表すから、できた言葉なんでしょうね。
広東語の「網紅」かな?
私も今、香港に住んでないのでわからないけど、だとすると急に人気が出るっていう感じね。
② これもよく聞く「ファシる」
これはSNSとかというより、ビジネスとかマネージメントとかの記事でよく見かける言葉ですね。「ファシる力」なんていう言葉もあるみたいです。
この「ファシ」は「ファシリテーション(facilitation)」の略ですが、このファシリテーション自体、昔は使っていなかった、新し目の外来語です。
最近よく聞くけど、実のところ意味はあんまり、、、。
そうですよね。外来語を使うとカッコいいけど、
本当の意味はいまいちわからないことも多いですよね。
ファシリテーションという言葉、昔の日本語で言えば「会議やトレーニングの司会や進行役」の人がしていた仕事です。
例えば、会議やトレーニングの進行、具体的には、司会者を紹介したり、質問者を指名したり、議論が変な方向に行ったら、正しい方向に戻したりして会議を進める人が必要ですよね。
その人がちゃんと仕事をすれば、参加者みんなが積極的に参加して、会議やトレーニングを成功させることができるので、リーダーとして必要になる能力の一つだと言われています。
よく似た言葉に「仕切る」という言葉があります。
広東語の「安排」みたいな意味よね。
私たちは、「ファシる人」のことを「攪手」と呼んでるかな?
しかし、「ファシリテーションをする」というのは、あまりにも長いからこんな風に短くした言葉が生まれたんでしょうね。
「〜力」というのもよく聞くけど、これは「〜する能力」という意味だから、「あの人はファシる力がある」というのは「会議やトレーニングを進める能力がある」ということです。
ちなみに「ファシリテーションをする人」そのものは英語と同じ「ファシリテーター(facilitator)」と言っているみたいです。
③ これは知ってる?「ディスる」
これも「外来語+る」が動詞になった言葉です。「ディス」は何の略でしょうか?
英語のdisで始まる言葉よね。
dislike、disagree、disable、、。
うーん、どっちにしてもいい意味じゃないわね。
調べてみると、「disrespectを略したもの」と書いてあるのが多いですが、とにかく相手のことを悪く言うときに使う言葉ですよ。
うーん。意味はわかった、
「侮辱」みたいな意味だね。
使い方は?
普通の日本語にするなら「けなす」とか、「悪口を言う」とか「侮辱する」などとよく似た意味で使います。
全部、普通の日本語を使う時と同じよ。
動詞の「する」の使い方と同じ。
ディスる。
ディスらない。
ディスった。
ディスって。
ディスりたい。
ディスられる。
ディスらせる。
そうそう、友達の間で使う言葉だから、
丁寧体の「ます、ました」なんかは使わないみたいね。
「ーる」を使った言葉を使ってみよう! 例文
- 今、日本では鬼滅の刃が本当にバズってるけど、香港ではどう?
- SNSで商品をバズらせて、売り上げを伸ばす方法をバズマーケティングと言います。
- 話題がバズってる間は喜んでいたけど、バズりすぎて炎上してしまった。
- あの部長、どんなときでもファシりたがって鬱陶しい。
- セミナーに参加して、会議のファシり方を勉強した。
- 新入社員への説明会は山田さんにファシってもらいましょう。
- あの人、友達のフェースブックをディスってばかりいるよね。
- テーラー・スイフトがミュージックビデオで誰かをディスったらしい。
- この前、酔っぱらった友達にディスられちゃって、落ち込んだ。
「ーる」を使った造語は他にもたくさん
今回とりあげたのは、いまどきの若者ことばですが、昔から今までこんな風にどんどん新しい言葉ができています。
こういう風に、もともとあった言葉を組み合わせたり、言葉の意味を広げたり、言葉を省略したりして新しい言葉を作ることを造語と言います。
アマゾる(Amazonで買い物をすること)やローソる(ローソンで買い物をすること)のように「店の名前+る」で、ある特定の店で買い物をすることを表したり、ググる(Googleで調べること)やタピる(タピオカティー=珍珠奶茶を飲むこと)なども、若い人が使っていますね。
外来語だけではなく、キョヒる(拒否する)とか、コクる(告白する=好きな人に好きだと言う)とか、デブる(デブになる=太る)など、日本語の言葉を使ったものもありますよ。
今では日本語として普通に使う「サボる」。できた当時は「若者ことば」と言われていたのかもしれないね。
そうね、じゃあ、こんなのはどうかな、
最近ピーナツの食べすぎで、熱氣っぽいから涼茶った。
涼茶る!うーん香港なら流行するかな。
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