私は学生時代、英語が大嫌いで、というより、英語話者が羨ましいという理由で、英語以外の言葉を選んで勉強していました。
で、最初に始めたのが「フランス語」。近くの図書館でやっていた無料の講座に参加して、ちょっとやりましたが、覚えられたのは「私は〜です」と「フランス語がわかりません」だけ(涙)。
フランス語を挫折した後、今までずーっと諦めずにいるのが「タイ語」。初めてのタイ旅行で、、、本当に、どっぷりハマりましたね、タイ国。
しかし、自分の周りにタイ語を教える学校や講座はなく(もちろん、あの時代にはインターネットもなかった)、テキストも高額で、初めてテキストを買って自分で勉強を始めたのが1997年。
最初に買ったのが一番左の本です。第1課から第6課までは発音の練習になっていて、文法は第7課から始まります。何度も挫折、また始めてを繰り返して、以前の最高記録は第17課のタイ語の曜日、月の読み方まででした。
やっぱり、覚えにくい語彙が出てきたことが、挫折の原因かと、、、。
まあ、私のタイ語学習のストーリを書いてもしかたがないので、この辺にしておきますが、私が今日言いたいのは「今まで20年以上、頑張ってタイ語を勉強してきたけど、まだまだ全然使えない」ということです。
先日、今、私がオンラインで教えてもらっているタイ語の先生とこんなお話になりました。
最近、頑張って勉強してるけど、全然使えるようにならないのは、
やっぱり日常生活で使わないからでしょうね。
でも、広東語は話せるんでしょう、
長い間香港に住んでいても、
話せない人もいるんじゃない?
そういえば、そうですね。
上手ではありませんが、
日常生活には困りません。
そこで、広東語が使えるようになった理由を考えてみました。そして、思い当たったのは広東語を勉強したのではなく、広東語を道具として使ったということです。
香港は一応英語も公用語として使われているので、英語を道具として使うことができます。だから、香港に住んで広東語ではなく、英語が上手になる日本人も多いです。
でも、学んでいる外国語が道具として使えないときは、どうしたらいいでしょうか?
私の個人的な意見ですが、言葉を身に着けるためにもっと大切なのは、ある言葉が使われる場所にいることではなく、その言葉の海で溺れそうになりながら、生き抜くことだと思います。
例えば、あなたが外国人に日本語を教えるとしたら、どう教えますか?
私は、まずシラバス(日本語の文型、文法、語彙をいつ、どうやって教えるかという授業の計画のようなもの)を決めて、それに従って教えていました。
そうすれば、学生も自分の理解度を確認しながら、新しいことを覚えていけると思ったからです。ー今はもうこんな風には教えないと思いますけど(汗)。
だから、学生は三ヶ月も勉強すれば「私は〜です」と話したり、「陳さんは中国人ですか?」などの質問に答えたりできるようになります。
でも、この学生が実際にふつうの日本人と話したら、どうなるでしょうか?
日本語を三ヶ月ぐらいしか勉強したことがない人が、日本人に「あ、日本人かと思った。ごめんなさいね。旅行?どちらから?」と言われたら、勉強した日本語とは全然違いますから、パニックになりますよね。
そこで「日本語わかりません」と言って、日本語で話すのを諦めてしまうのではないかと思います。
でも、諦める前に「日本人」「旅行」「から」とかの言葉を頼りにアップアップでもいいから、会話を続ける努力をしたら、どうでしょうか?
親切な人(←もちろんこれが一番大切)だったら、会話を続けようとするあなたを見て、簡単な日本語や英語を使ったり、身振り手振りを使ったりして、話し続けてくれると思いませんか?
でも、勉強している言葉が使われている国じゃないと、
そんなチャンスはないわよねー。
こんな風に思う人もいると思いますが、今はオンラインで会話ができる学校やフリートークができるサイトなどを使って、言葉の海で泳いでみるチャンスはたくさんあります。
私は年のせいもあって、インターネット上の「言葉の海」に飛び込んで、泳ぐ勇気がありませんでしたが、1年ぐらい前に、オンラインでタイ語を勉強するようになりました。
そしたら、20年以上勉強しても終わらなかったあのテキストを終わることができましたんです。
しかし、会話はまだまだです。その理由は
「わからない!できない!」と溺れそうになったら、相手が日本語がわかってくれることをいいことに日本語で話すことが多いからだと思います。
つまり、言葉の海にいても、浮き輪につかまっているのと同じ!
溺れないように、浮き輪を持ち出すのではなく、持っている全ての能力を使って話し続ける努力が大切!
溺れて死にそうなんだから、正しいか正しくないかなんて気にならなくなるはずだと思うんだけど、どうかな。
私も明日から(笑)、これを自分に言い聞かせて頑張りまーす。
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